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「働く」建設WALKER×日刊建設工業新聞社

2014年12月26日

株式会社タカボシ 代表取締役社長

石山 武司

湿式左官材を中心に内外装仕上げ材、タイル、防水、塗装資材、舗装材など建築・土木資材を取り扱う建材総合商社の株式会社タカボシ(東京都足立区)。50年を超える歴史を有し、袋セメントの販売では国内トップを誇る。迅速、確実な納品が同社の強みだ。石山武司社長に、事業の特長や拡大が見込まれる需要への対応などについて聞いた。

有言実行!創業から続く「お客様第一主義」の精神。

「一般的に、建材商社は物流会社の路線便を利用しているが、当社は三つの配送業者を直傭して円滑な物流・デリバリーのスピード化を図り、配送責任者と定期的に打合せを実施してジャストオンタイムで納品できるネットワークを構築しています」と石山武司社長は自社の物流体制の特長を説明する。 しかも手積み、手降ろしが基本で、商品を丁寧に扱い建設現場の所定の位置に届ける。

経営の根底にある理念は、石山伊佐夫会長が1963年の創業時から唱えている「お客さま第一主義」。それを象徴するエピソードがある。

第二次オイルショックに見舞われた1979年、東京からセメントが消え多くの建設業者が困窮する中、つきあいのある運送会社から延べ100台のトラックを集め、関西の工場からセメントを運び、値段据え置きで供給した。 この常識破りの調達は“東京にタカボシあり”と一躍、同社の名を知らしめたという。

また取り扱いのない商品でも、顧客が希望すれば新たにメーカーや仕入れ先を探し、最善を尽くす。

常に顧客第一の心がけが全社員の身につくよう、30年ほど前から人材教育に内観研修を採り入れている。

石山社長は「日常と遮断された1畳弱の個室に1週間こもり、生い立ちから現在までの自分の人生を振り返ると、脳裏にしまい込まれていた記憶がよみがえってきて家族、友人、同僚などに対する感謝、報恩の大切さに気づく。感謝の気持ちを込めた一つひとつの仕事の積み重ねが、当社の信用、信頼を高めてきたと思っています」と言う。

新分野への挑戦で100億円企業を目指す。

創業50周年を迎えた昨年、3カ年の経営計画を策定。最終年度の2015年度に売上高100億円を目標に掲げた。

「2004年度に100億円を超えましたが、従来品の需要が伸びた結果の数字。いまは、壁仕上げが質感や風合いのある湿式から、工期の短さや手間の少なさから乾式に進んでいるなど状況が異なっています。湿式のメリットを改めてアピールするとともに、タイル剥離防止工法や耐火塗装工法、地盤改良工事、改修工事など新分野にも進出し目標を達成させたいと考えています」。

2018年の55周年に向け、現本社に近接する土地に10階建ての新社屋の建設も計画中だ。

先ごろ仕入れ先の製造会社、販売協力業者をそれぞれ正会員とする「星親会」と「星友会」を相次ぎ結成。同時に十数年にわたって活動していた工事業者との組織の「グリーン会」を「星栄会」に名称変更した。

「東京オリンピック・パラリンピック関連工事の本格化で、需要の増加が見込まれています。星栄会、星親会、星友会の三つの会が製・販・工の絆を強固にし、お客様からの注文にタイムリーに応えていくことで共存共栄を図っていきます」と石山社長は熱く語る。

【取材後記】
創業は東京オリンピック前年の1963年。石山社長の兄の石山伊佐夫会長が22歳の若さで起業した。顧客が欲するものを欲する時に届ける〝タカボシイズム〟を貫き、建設業界での存在感を高めてきた。創業から半世紀を迎えた昨年、2020年に2度目となる東京オリンピック開催が決定。高度成長期の創業時と重なるかのように、建設業界は上昇気流に乗り始めた。時代の新たな潮流にタカボシイズムで応える同社のこれからの取り組みにも注目したい。

[了]

本社:東京都足立区西加平2丁目3番10号
支店:千葉・神奈川・埼玉・茨城・東北
創業:1963年2月
設立:1965年4月
資本金:4800万円
事業内容:建材総合商社
グループ会社:高星建設(株)/(株)ハイスター/高星産業(株)/(株)釜徳商店

石山武司(いしやま・たけし)
1950年3月28日茨城県生まれ
1966年高星商会(現タカボシ)入社。
1971年千葉支店開設とともに同支店長
2004年代表取締役社長就任。

※記事中のデータ、人物の所属・役職は掲載当時のものです。

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本社屋(東京都足立区)

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