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「働く」建設WALKER×日刊建設工業新聞社

2013年02月22日

株式会社雄電社 首都圏本部 工事部 主任

宮川 恵美さん

1930年に創業した独立系内線電気工事会社の株式会社雄電社(東京都品川区、小島兼骼ミ長)。 「電気工事の施工管理を一生の仕事にしよう」という決意で入社した首都圏本部工事部主任の宮川恵美さんは、80年を超える同社の歴史の中で、初のママさん現場監督だ。 早朝の5時半、まだ眠っている二人の子どもの寝顔を見届けて、現場に出勤する。 宮川さんに電気工事業界を就職先に選んだ経緯、子育てしながらの働きがいなどについて聞いた。
取材・構成/日刊建設工業新聞

男女区別ない社風!新卒入社で現場監督への第一歩をスタート

父親が電気工事の職人で、子どものころから電気が身近な存在だった宮川さんは、進路はおのずと理工系を選択し、大学で電気工学を専攻。

卒業後は「デスクワークではなく体を動かす仕事がしたい」と、電気工事会社をターゲットに就職活動に臨んだ。希望職種は、施工管理。就活中に、職人に施工指示を行い現場の管理を行う施工管理という業務があることを知り、これこそが一生の仕事だと直感した。

しかし、会社説明会や資料請求などの希望職種欄に施工管理と書くと、女性の施工管理者は採用していないという回答だったり、資料が送付されてこなかったりするケースが多かったという。

そんな中、人事担当者に「女性でも施工管理の仕事に就けますか」と尋ねたところ、「男女区別なく採用している」と回答したのが雄電社だった。実際、同じ大学の女性先輩が施工管理の仕事をしていることを知り、その先輩からのアドバイスを受け、2001年に入社。希望通り、新戦力として施工管理を担う工事部に配属された。

「当社は若手にも品質管理やコスト管理など現場運営の一切を任せています。工事部の一人一人が、若いころから様々な現場を経験し、施工のノウハウを蓄積していて、それが他社にない強みになっていると考えます。私も3年目で、現場を一人で担当しました。毎日現場に出るのが楽しく、あっという間に数年が過ぎました」と振り返る。

結婚、出産を経て、現場に復帰!

2004年10月、宮川さんは結婚。2006年10月長男が生まれた。それまでは、内勤者の中には子育てしながら働く女性社員はいたが、現場監督は皆無。前で出てきた施工管理の先輩女性も結婚を機に内勤に移っており、宮川さんも結婚した際、内勤への異動を命じられるのかなと不安に思ったそうだが、結婚翌日には新しい名字の名刺を渡され、普通に現場監督を続けられることに、逆にとまどったという。

長男を妊娠した時は、「今度こそ、内勤に移らない限り辞めなければいけないのかな」と覚悟したが、上司から「社長が、産休・育児休業を取った後で、現場勤務が可能かどうか判断すればいいと言っているよ」と聞いて、「一社員の生活を尊重してくれて、なんていい会社なんだろう」と感激したという。

社員を大切にするのは同社の伝統。企業理念の一つに「人間尊重」をあげ、仕事に対する個人の情熱を最大の財産と定義している。毎月、社長の主催で、その月に生まれた社員を集めて開く誕生会、毎年の社員旅行、5年ごとの海外研修など、社員のモチベーションの向上を図り、社員同士が交流する場が設けられている。

宮川さんは、1年半の産休・育児休業後、2008年4月、同社の女性外勤者として初めて現場に復帰。2011年6月に二男が誕生した際も、同様に産休・育児休業を取得し、現場に戻った。

ママになっても現役にこだわるその理由──そして将来の夢

「朝は夫が二人の子どもを保育園に送ってくれるけど、夜は自分が迎えに行かなければならないので、残業はあまり出来ません。育児と仕事が両立できるのは、上司、同僚をはじめ会社の支援のおかげです」と感謝する。

「現場が変われば勤務先も移り、元請けも職人も、建物の形も異なります。決して飽きることがなく、常に新鮮な気持ちで新しいプロジェクトにかかわれるのが建設業の醍醐味です。完成すれば街の景観を構成し、夜に明かりがついているのを見た時には、工事中の記憶がよみがえってくるなど、過去の仕事を振り返られるのも魅力です。休日に家族で出かけ“このマンションの電気工事は、ママが施工したんだよ”と子どもに話す時には、幸せな気持ちになります」と目を細める宮川さん。

「育児の手が離れたら、代理人となって、これまで以上に高い超高層マンションの現場を担当してみたい」と今後の夢を話す。

【取材後記】
雄電社は、早くから将来を見据えた人材確保策として、女性技術者も前向きに採用。 結婚、出産後も宮川さんのように現場勤務を希望すれば、会社、上司、同僚がバックアップする。 こうした取り組みは、女性に限らず全社員のモチベーション、結束力の向上を実現し、同社の業界での競争力、存在感をさらに高めていくことだろう。

[了]

本社所在地:東京都品川区旗の台2丁目8番21号
創業:1930年11月1日
設立:1942年10月31日
資本金:6億9300万円
代表:代表取締役社長 小島兼隆
事業内容:建築総合設備工事の設計・施工

宮川 恵美(みやがわ・めぐみ)
東京都出身
2001年湘南工科大学工学部電気工学科卒、雄電社入社。
現在、首都圏本部工事部主任
【主要工事経歴】
32階建て賃貸マンション(東京都品川区)
留学生会館(東京都世田谷区)
27階建てツインタワー(東京都港区)
44階建て超高層マンション(東京都江東区)
大学学生寮(東京都世田谷区)

※記事中のデータ、人物の所属・役職は掲載当時のものです。

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家事・育児・仕事の3つを両立させ、現役監督として奮闘中

作業所にて

周知会にて。現場監督としてのキャリアは11年目というベテランだ

その月に生まれた社員を集めて毎月開かれる誕生会

全社員が参加して5年ごとに行われる海外研修。「部署・支店間の交流が図れる絶好の場」と宮川さん