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「働く」建設WALKER×日刊建設工業新聞社

2012年05月25日

株式会社興建社 取締役副社長

水島 隆明

東京・杉並区を拠点に建設業を営む(株)興建社。 RC造建築を得意とし、個人・集合住宅、業務用ビル、倉庫、工場、公共施設など多様な建物の設計、施工を手がけている。 同社は、2012年度から、受注高の2割増を目指した3年間の新中期経営計画をスタート。 6月に社長昇格が予定されている水島隆明副社長に、会社の特色や新中計での目標達成に向けた考えを伺った。
取材・構成/日刊建設工業新聞

創業66年。東京・杉並の発展を支えてきた地元密着型企業

(株)興建社、水島副社長の祖父・故水島歳五郎氏が1946年5月に創業。戸田建設(株)の現場代理人としてRC建築の施工経験を積んだ歳五郎氏は、杉並区内の学校校舎不燃化建て替え需要を足がかりに経営基盤を固め、同区内の公共施設のほか一戸建て住宅、マンション、社屋、商業・産業施設、多摩地区の都営住宅などへと事業を広げていった。1976年に2代目社長に就任した水島隆年氏は、その後のバブル期にいたずらな規模的拡大を敬遠。堅実路線を貫き、低成長時代を迎えた現在も安定経営を続けている。

2008年には水島社長を会長に、杉並区内に事業所を置く建設会社と杉並建設防災協議会を設立。同区と締結した防災協定に基づき、同区が震災救援所に指定している66の小中学校校舎の安全点検や避難訓練用物資の提供など地域貢献活動にも取り組んでいる。水島副社長は、「当社は杉並区荻窪の地縁、人縁で成長してきた会社で、その地縁、人縁こそが最大の強みです。どんな見積もり依頼にも、すべて対応することを基本としており、施工実績は規模の大小、用途を問わずバリエーションに富んでいます」と自社の特色を分析しながら「建築は、ライフサイクルが長い商品です。生産者である当社には、商品を見守り続けるために、会社を永続させる責任があるのです」と力説する。

新たな目標に向かって――中期経営計画「きづきプロジェクト」スタート

2009年4月に発足した中期3か年計画「きづきプロジェクト」。これを継承する新たな中期経営計画が2012年4月よりスタート。きづき≠ニは「気づき」「築く」「絆(きずな)」を意味し、周りへの気づき、信頼の築きなどを通し、顧客、社員同士、協力会社との絆を強固にしようとする取り組みだ。

その一環として、かぶり不足ゼロを目指し、「良い建物は良いコンクリートから」をスローガンに「良いコンプロジェクト」も2011年度に開始した。

新中計は2012年6月のトップ交代を見据え、水島副社長を中心に役員、幹部が一体となって策定。その中で企業が永続するための指標として、2014年度の受注高を55億円に設定した。45億円だった過去3年間の平均完工高に対し、実質2割増となる。この目標の実現に向けた施策の柱が「生産性の向上」だ。

「建築現場では、部下や職人との良好な関係が築かれていないと円滑に工事が進みません。現場監督が工事関係者と意思疎通を図ることで、月次生産高の向上が可能になると考えます。同時に杉並をはじめとする自治体案件や最近、仕事が増えているリニューアル、コーポラティブハウスの分野をさらに伸ばすとともに新たな領域を開拓していきます」と語る。

新しいターゲットの一つが、東京都が進める緊急輸送道路沿道建築物の耐震化事業。「この事業では、自治体からの申請に基づき、都が耐震診断や耐震改修などに要する費用を助成しますが、申請方法、手続きが自治体によって異なります。それぞれの自治体の特徴にあわせた営業が必要で、杉並区に限定して耐震診断、耐震補強・改修工事を狙っていきます」

積極的なキャリア採用で組織強化を図る

早急な人員の増強も不可欠となり、6人の現場監督級の技術者を採用する。従来は新卒の定期採用がほとんどで、29人いる現場監督のうち中途は3人。6人も中途で採用するのは、今回が初めてとなる。「これまでのキャリアやスキルにこだわらず、RC造建築の現場経験がなくても、チームで仕事をすることに喜びを感じ、現場を盛り上げてくれるような人材を希望しています」と水島副社長。

「数年前から半年ごとに獲得スキルの設定、検証を繰り返し、確実にステップアップを図れる育成策を進めています。特に重要視しているのが原理原則の習得です。建築は一品生産で、周辺環境、天候などに左右されるため、応用が多くなりがちです。しかし、応用で要領よくこなしてばかりいては、どこかで必ずつまずきます。一つ一つの作業の原理原則を徹底して身につけてほしい」と期待する。

一方、「中小企業のため、教育、福利厚生などの面の環境整備はまだ不十分で、その改善が私の経営課題の一つだと自覚しています」と断ったうえで、「経営者と社員が、会社の現状、未来像などの情報を共有しながらコミュニケーションを活性化し、きづき≠さらに高めあうことにより、お客さま、社員同士が高い信頼で結ばれた会社にしていきたいと考えています」と3代目社長としての抱負を述べる。

[了]

(株)興建社では、 「建築施工管理技術者」の中途採用を行っています。

株式会社 興建社
本社所在地:東京都杉並区荻窪5-18-14
創業:1946年5月17日 
資本金:1億2千万円
事業内容:住宅、公共施設、工場、倉庫等の建築一式及びリニューアル工事
会社HP:http://www.kokensha.jp/

水島隆明(みずしま・たかあき) 
1974年10月8日生まれ
1997年3月 慶應義塾大学経済学部卒/4月 古久根建設(株)入社。
2000年4月 (株)興建社入社
2010年6月 取締役副社長就任
2012年6月 代表取締役社長就任予定

※記事中のデータ、人物の所属・役職は掲載当時のものです。

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戸田建設の現場代理人として培ったRC建築の技術をベースに東京・杉並区及び多摩地区に密着したモノづくりを展開する。

杉並区立天沼小学校。数ある学校建築工事の中でも、環境負荷を少なくした施設の一つになっている。

日本基督教団 三鷹教会会堂。同社が初めて建設した木造教会だ。

2011年よりスタートした「良いコンプロジェクト」のスローガン。

安全大会で協力会社と一緒に無事故・無災害の実現を誓う。