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「働く」建設WALKER×日刊建設工業新聞社

2011年08月31日

白岩工業株式会社 品川シールド作業所・工事所長

河合 仁

13年度に開通が予定されている中央環状品川線。 その外回り線の「首都高速道路中央環状品川線シールドトンネル(北行)工事」が、鹿島JVで進められている。 工事には多くのサブコントラクターが参画しており、その1社が白岩工業株式会社。 所長を務めるのは同社「品川シールド作業所」河合仁(まさし)氏だ。 河合所長は、中学生のころから「将来は土木工事に携わりたい」と考え、実際にその道に進んだ「根っからの土木技術者」。 河合所長に、土木工事の楽しさ、職業としての魅力などを聞いた。
取材・構成/日刊建設工業新聞

世界最長のシールド工事を経験

河合所長は、これまでに地下鉄大江戸線の汐留駅構築、東京メトロ南北線の白金台駅〜目黒駅間、同半蔵門線の水天宮駅〜清澄白河駅間、東京電力の東西連携ガス導管布設など、数々のシールド工事に従事してきた。

なかでも東京電力の工事は、富津LNG基地(千葉県富津市)と東扇島LNG基地(川崎市川崎区)を東京湾下で結ぶ全長18kmのシールド工事で、河合所長は鹿島JVが担当する富津側からの9030mの工区に携わった。同工事のシールドは、外径が3・62mと比較的小規模だが、掘進距離の9030mは、シールド工法の世界最長記録。月進でも1168mの世界最速施工を達成した。

一方、進行中の首都高速道路中央環状品川線シールドトンネル(北行)工事は、大井北立坑(東京都品川区八潮1丁目)から大橋ジャンクション(東京都目黒区青葉台4丁目)までの直径12.55m、延長8000mという世界最大級の大断面・長距離シールド工事。08年の起工時、同現場にはまさにうってつけの人物として、大規模シールド工事に豊富な実績、経験を持つ河合所長が着任した。

安全管理を徹底

「シールド工事は、シールドマシンで掘進しながら、セグメントと床版でトンネルを構築する。最初は、現場全体に目が行き届いても、掘削が進むにつれ立坑からマシン先端の切り羽部分までの距離が長くなり、作業範囲が広がるため、死角が生じてくる。現在、約5.5kmまで掘進しているが、死角になりそうな個所を見極め、監視をおろそかにしないことが重要」と、河合所長は安全に対する熱意を語る。

毎朝、各人の作業予定を確認し、その日その日の安全管理計画を策定する。工事は、午前7時〜午後3時(1方)、午後3時〜午後11時(2方)、午後11時〜午前7時(3方)の3交代制。河合所長の勤務は1方だが、2方、3方の担当者と連絡を密にし、安全管理に余念がない。無事にシールドトンネルが貫通し、到達坑から流れる風をほおに受けたとき、そこでしか味わえない達成感が胸いっぱいに広がるという。

中学生時代、土木技術のすごさに感動

大学を卒業してから33年間、土木現場一筋の河合所長。今月14日、55回目の誕生日を迎えた。その河合所長が、土木技術者を志したのは中学生の時。東京都国立市で暮らしていた昭和40年代半ば、子どものころの遊び場だった近所の小山が、ある日工事用万能板で囲まれ、数年後、そこに国道20号(甲州街道)から中央高速道の国立インターにつながる新しい道路ができた。

日本が豊かさを求め成長を続けていた時代。舗装された新しい道路ができるたびに、人々は喜びを感じていた。河合少年も、その新しい道路が目の前に現れ、土木技術のすごさに純粋に感動した。

高校で進路を決める時に、すでに建設業界で働く決意は固まっていた。いずれは自らの裁量で現場を動かしたいと、大学に進学し土木工学を専攻。卒業後は、多摩地区や足立区の地場建設会社で、河川護岸、橋梁、宅地造成、下水道管布設などの工事現場を担当した。

最初は要領、段取りがわからず、所長をはじめ先輩から怒られることがしばしばあったが、「1年後、2年後には、絶対に先輩を追い越してやる」という気持ちで、失敗や間違いを糧に、知識や技術を習得した。

今から9年前、白岩工業の協力会社で仕事をしていたところ、その腕を見込まれ、同社に転職。以来、同社を代表する大規模現場の所長を任されている。

自分で考えた方法で成功した時に大きな喜び

「負けず嫌いだ」と自身の性格を口にする河合所長から見ると、最近の若い社員は少し物足りないようだ。「失敗して責められるのを恐れるせいか、引っ込みがち。責任は僕が取るから、現場では自分が代理人という意識を持ってほしい」と苦言を呈する。そう述べる理由には、「土木の本当のおもしろさを知ってもらいたい」という願いがあるからだ。

「現場の仕事は、一から十まで手取り足取りして教えられても身につくものではない。現場では、毎日毎日違うことが起きる。作業予定を組んでいても、時には不具合などから、全く違う仕事を余儀なくされることもある。自分が最適だと考え出した方法が正解で、人によって正解は異なる。その方法で成功すれば、その喜びは大きいし、失敗しても、次への力にすればいい。それが土木の醍醐味(だいごみ)。おもしろさを体験できるまで、頑張ってほしい」と呼びかける。

【取材後記】
公共投資の縮小、イメージの低下などで若手の参入希望者が減少しているが、実際は人々の暮らしや経済を支え、 将来にわたって社会の役に立つ社会基盤をつくる重要な使命を担っているのが建設業だ。 これほどダイナミックで後生に残るものづくりは他の産業では経験できない。 河合所長の話の節々から、土木という仕事への愛着と誇りが伝わってきた。

[了]

白岩工業株式会社では、「大型公共工事の土木施工管理 ※勤務先:東京・千葉・神奈川・福島、他」の中途採用を行っています。

白岩工業株式会社
本社所在地:東京都中央区日本橋兜町12番1号 太洋ビル3階
設立:1964年8月18日
資本金:3億円
事業内容:土木工事業/建築工事業/大工工事業/とび・土工工事業/鋼構造物工事業/舗装工事業/水道施設工事業/内装仕上工事業/鉄筋工事業/労働者派遣事業
企業ホームページ:http://www.shiraiwa-kougyou.co.jp/

河合 仁(かわい・まさし)
1956年8月14日 東京生まれ
1978年3月 日本大学生産工学部卒
地下鉄12号線汐留駅築造工事(1993年)、 地下鉄12号線汐留シールド工事(1997年)、 営団地下鉄7号線白金台シールド工事(1998年)、 営団地下鉄11号線隅田川シールド工事(2001年)、 砂町水処理センター整備工事(2001年)、 茨城県開発公社日本自動車研究所造成工事(2002年)、 東西連携ガス導管土木工事(第1工区)東電富津・東京湾シールド(2003年)、 東京外環自動車道ケーソン工事(2006年)、 東京ガス中央幹線シールド工事(2007年)など工事に従事。

※記事中のデータ、人物の所属・役職は掲載当時のものです。

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地上ヤードに積み上げられたシールドセグメント

到達地点に向かって掘進するシールド機

構築中のシールドトンネル

掘進と同時に、後方から床板でトンネルを構築

シールド工事現場に立つ河合所長

安全大会で、現場での安全衛生管理活動を報告する河合所長

※現場写真はいずれも「首都高速道路中央環状品川線シールドトンネル(北行)工事」