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「働く」建設WALKER×日刊建設工業新聞社

2011年06月24日

株式会社プランテックアソシエイツ 代表取締役会長兼社長/建築家

大江 匡

ファシリティ・ソリューションのオンリーワンカンパニーを目指し革新を続けるプランテックグループ。 85年のプランテック総合計画事務所設立から25年あまりで、持ち株会社を含め7社の企業グループを築き上げた建築家の大江匡氏(プランテックアソシエイツ会長兼社長)に、同グループの成長戦略を伺った。
取材・構成/日刊建設工業新聞

プランテックグループは、プランテックアソシエイツを純粋持ち株会社に、建築設計監理の「(株)プランテック総合計画事務所」、プロジェクト遂行の各種マネジメント・コンサルティングを行う「(株)プランテックコンサルティング」、保全業務や人材派遣など多方面から施設資産の維持管理をサポートする「(株)アセット・ファシリティーズ」、構造、設備の総合エンジニアリング会社の「(株)エンジニアリングエクスチェンジ」、IT・プロダクトソリューションの「(株)クオリクス」、会員制ホテルを運営する「(株)ファーストキャビン」の6社で構成される。

大江氏は「建築家とは、人のため、社会のためにプロフェッショナルなサービスを提供する職能」という強い信念を持って、プランテックグループの原点となるプランテック総合計画事務所を30歳で立ち上げた。その後の業容拡大を理念的に説明するのが、この建築家職能観だ。

「建築設計事務所の主要業務が設計・監理であるのはもちろんですが、お客さまの要望は、プロジェクトの企画立案から進行管理、完成後の施設運営に至るまで多岐多様。工場建設を例にあげると、役所との交渉や法的手続き、生産効率を最大化する製造ラインの配置、完成品の物流、省エネ法対応といった様々な項目について、お客さまは手助けを求めてきます。

プロジェクトに関連するこれらのニーズに一つ一つに応えていくのが建築家の本来の役割です。収益追求のために次々と事業会社を設立したのではなく、お客さまとのやりとりの中で建築家職能を果たすため、おのずと業容を広げてきたのがプランテックグループの特長です」

社員数も5、6年の間に急増し、現在グループ全体で約200人。業容の拡大に迅速に対応していくため、キャリア採用にも積極的だ。中途採用者の前職は、経営コンサルタント、人材紹介会社、製造業など様々。

「実力とやる気があれば、年齢も前職も問いません。ただし、自分のため、当社のためというのではなくお客さまのために考えて動ける人材を必要としています。そして誰にでも、ビッグビジネスのチャンスを与えます」と大江氏。

また研修内容もユニーク。顧客の立場で施設の建設・改築、機器の更新・増設といった判断力を養うため、医薬品の製造工程管理や病院経営といった異業種のセミナーを社員に受講させている。

現在、同社の売上高に占める業務ごとの比率は、設計・監理が約40%、コンサルティングが約25%、施工・人材派遣が約35%で、建物種別では生産施設が約45%、商業施設が約25%、残りがオフィスビルや住宅。この数字からもわかるように、製造業、流通業の分野で特に強みを発揮している。

生産工程、ユーティリティー、物流システムなどに対するプランテックコンサルティングの知見やノウハウ、プランテック総合計画事務所の企画立案力、デザイン力などの英知を集め、顧客満足度の高いプロジェクトにまとめあげる。完成後もグループ会社が維持管理、運営を支援する。こうした一連のサービスが顧客の信頼を獲得し、業務の大半を特命で受託している。中には、プランテックグループがないと困るという顧客もいるそうだ。

大江氏は「お客様にメーカーが多いと言っても、100社あまり。日本の企業数から見れば、まだまだ開拓の余地があります」と述べる一方、「アジアを中心に海外にも進出する」とグローバル展開にも意欲的だ。昨年は10月に香港オフィス、12月にホーチミンオフィスを開設。この6月にはバンコクにも進出した。

「これらの地域は経済発展が著しく、市場の広がりが期待できます。当面は日系企業が計画している工場、商業施設、ビルなどのプロジェクトのサポートを中心としますが、ローカル企業との協業、現地採用などを進め、日系以外の企業、当局のプロジェクトにも参画し、いま10%程度の海外比率を4、5年で20〜30%に高め、長期的には50%まで伸ばしたいと考えています」

〈ファシリティ・ソリューションのオンリーワンカンパニーとして革新し続ける〉ビジョンと、〈社会にとって必要不可欠な存在であり続ける〉ミッションの達成に向け、プランテックグループは国内外での挑戦を加速させている。

【取材後記】
建築家として数々の賞を受賞している大江匡氏。 全国的に注目を集める契機となった一つが94年のJIA新人賞の受賞だった。 受賞インタビューで、建築家という職業について「自らも創造しながらクライアントや施工会社と協力し、建築という芸術をつくりあげる」と語っていた。 独善的でなく顧客の要求に真摯に応え、パートナーを大切にする。 いま7社の企業集団に成長したプランテックグループの原点には、当時から大江氏が持ち続けているそんな精神がある。

[了]

株式会社プランテックアソシエイツ
本社所在地:東京都千代田区紀尾井町3-6 紀尾井町パークビル7階
設立:2005年9月1日
資本金:477,350千円
事業内容:「株式会社プランテック総合計画事務所」
「株式会社プランテックコンサルティング」
「株式会社アセット・ファシリティーズ」
「株式会社エンジニアリングエクスチェンジ」
「株式会社クオリクス」
「株式会社ファーストキャビン」
の6社を中核とする純粋持株会社として、グループ全体の事業戦略の策定や経営管理を行う
会社HP:http://www.plantec-associates.co.jp/

大江 匡(おおえ・ただす)
1954年大阪市生まれ
1977年東京大学工学部建築学科卒、菊竹清訓建築設計事務所入所
1985年株式会社プランテック総合計画事務所設立
1987年東京大学大学院工学建築研究科修了
2005年株式会社プランテックアソシエイツ代表取締役就任

※記事中のデータ、人物の所属・役職は掲載当時のものです。

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