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「働く」建設WALKER×日刊建設工業新聞社

2011年03月25日

共同カイテック株式会社 取締役社長

吉田 稔

2011年11月に創立60周年を迎えた共同カイテック株式会社(東京都渋谷区)。 バスダクト、OAフロア、屋上緑化を3本柱に事業を展開する企業だ。 バスダクトは7割の市場占有率を誇り、多数の企業が競合するOAフロアも、リニューアルでは2割近いシェアを占める。 1997年に開始した屋上緑化は、細かく製造管理された工場製品ならではの高い品質、施工や維持管理のしやすさなどから着実に受注を伸ばしている。 今回は、吉田稔社長に同社の事業の特色や社風、今後の展望などについて聞いた。
取材・構成/日刊建設工業新聞

世の中を快適にする技術、製品を提供する“カイテック”

共同カイテックの“カイテック”とは、快適性とテクノロジーの二つの言葉を組み合わせた造語で、1992年に共同電気株式会社から社名変更した。

「当時は業容の拡大に伴い、人材確保が急務でしたが、学生に“共同電気”という社名から思い浮かべる企業イメージを聞いてみると、電気工事会社、家電量販店という回答が大半。当社が希望するのは、メーカー志望の学生。でも、共同電気のままでは、そのような学生に来てもらえない。そこで、世の中を快適にする技術、製品を提供する当社の事業領域を的確に表現した社名を社内公募し、採択されたのが“共同カイテック”だったんです」と吉田社長は当時を振り返る。

同社は、もともと電気工事用の電線管付属品を製造するメーカーとして1950年11月に発足。1958年には、業界に先駆け、バスダクト事業を立ち上げた。

バスダクトは、絶縁導体を鉄製またはアルミ製のケースに納めた電力幹線で、一般的なケーブル配線と比べ耐久性、耐火性などに優れているのが特長。高度成長期に入り、工場、高層ビルなどの建設投資の増加にあわせバスダクトメーカーとしての地歩を確立していった。

1980年代後半になると、オフィスのインテリジェント化ニーズが急増。同社は1987年、主に既存ビルを対象にケーブルを床下に収納して配線の変更、増設などを容易にするOAフロアの製造に乗り出した。

さらに、1997年には新規事業として屋上緑化を開始。配線と屋上緑化とでは、事業的に結びつかないように思えるが「各階の床をOA化していくと残るのは屋上。OAフロアのユニットを並べるという発想から生まれたのが、当社の屋上緑化システムで、すでに採用実績は1000件を超えています」(吉田社長)。

「環境を大切にする企業への就職を希望する学生が増えている中、ヒートアイランド現象の緩和や地球温暖化の防止に寄与する屋上緑化事業は、優秀な人材の確保につながり、さらには社員の求心力が高まるなど、副次的な効果ももたらしました」と説明する。

社会貢献活動で社内を活性化

屋上緑化を事業化したきっかけも、商号変更と同様、社内公募だった。社内公募は事業立案、新商品開発、製品改良などにあたって会社活性策の一環として実施する手法の一つ。社員も自発的に提案し、多いときには1カ月に150〜200通の応募があるという。

「こうした自由な提案の中から、他社との差別化につながる技術が考案、開発されるんです。申請中を含めた当社の保有特許は国内135件、海外21件、意匠登録は76件で、知的財産防衛も重要な経営戦略として位置づけています」と吉田社長は力説する。

一方、社内公募のほか、社会貢献を主眼とした様々な活性策も行われている。新燃岳の噴火、ニュージーランド地震、そして今回の東北地方太平洋沖地震など大きな災害が起きた時には会社員一丸となって義援金を提供。エコキャップ運動では、1年間で100人分のポリオワクチン代に相当する8万個のペットボトルのキャップを回収した。

また2010年から参加費を社会福祉団体に寄付するチャリティーウォーキングを開始し、2011年2月には神奈川県の森林再生パートナーに参加することで同県と覚書を締結した。

その他、神奈川県大和市にある神奈川技術センターでは地元小学生のフットサル大会の主催、他社を退職した高齢者の再雇用など、地域密着型の社会活動を行っている。
「これらの取り組みも社員の働く誇りやモチベーションの向上につながっています」と吉田社長は自負する。

既存領域にも大きな可能性

今後の事業展開の方針を尋ねると「基本は既存事業の拡充」と断言。
「バスダクトのオンリーワン企業といっても、電気供給に占めるバスダクトの比率は8%程度で、主流は依然ケーブルです。しかし、人間の身体にたとえるなら動脈に相当するバスダクトは災害に強く、さらにサーバや人体に悪影響をもたらす電磁波をほとんど出さないなどのメリットがあり、やりようによって現在の2.5倍にあたる20%までケーブル市場に食い込めると見ています。
OAフロアも、リニューアルではシェアトップの18%ですが、新築分野は10%未満に甘んじています。新築市場を切り開くため、製品開発、営業を強化していく方針です」と力をこめる。

同社は2010年秋、新築向けOAフロアの戦略商品として新築向けOAフロアの戦略商品として、それぞれのパネルの四隅をビスでロックするために、きしみやがたつきのない安定した二重床を実現する『クワッドフィックス600』を本格投入した。主材料には、靭性と歩行感に優れた合板をスチールで挟んだ製品で、50m〜165mの床高さに対応する。

「『クワッドフィックス600』は、新築領域の当社のシェアを急激に伸ばす可能性のある商品と考えています」と吉田社長は大きな期待を寄せる。

【取材後記】
「こんにちは!」。すれ違いざまの気持ちの良いあいさつ。 役職ではなく「さん」付けで呼び合う社風。共同カイテックを訪ねると、心地よさを感じる。 社名のように“快適”な雰囲気も思考、生産性を活性化させる秘訣なのだろう。 吉田社長の話では、既存領域の中にまだ多くの潜在需要が眠っている。 役職の枠を超えたフランクなコミュニケーションや社内公募などから生まれる独創的なアイデアが、新たな顧客を開拓していくことだろう。

[了]

共同カイテック 株式会社
本社所在地:東京都渋谷区東3-24-12
設立:1950年11月
資本金:2億4千万円
営業品目:電力幹線システム/フロアシステム/屋上緑化
会社HP:http://www.ky-tec.co.jp/

吉田 稔(よしだ・みのる)
1966年日本大学理工学部卒、関東電気工事株式会社(現株式会社関電工)入社
1968年共同電気株式会社(現共同カイテック株式会社)入社
取締役工場長、同技術部長、副社長を経て1984年取締役社長就任
1990年〜フリーアクセスフロア工業会副会長
東京都出身。67歳

※記事中のデータ、人物の所属・役職は掲載当時のものです。

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高度情報化社会を支える共同カイテックのOAフロア。リユース・リサイクル可能で環境にもやさしいシステムフロアだ。

新戦略商品としてリリースされた新築向けOAフロア『クワッドフィックス600』の施工例。

21世紀仕様として開発された低圧幹線システム『絶縁バスダクト』。

官公庁の各種施設、一般オフィスビルをはじめ1000件以上の施工実績をもつ屋上緑化。写真は、砧浄水場(東京・世田谷)の施工例。

2010年に行われた「チャリティーウォーキング」では、社員も家族も一緒に社会貢献!その他、社内交流を深めるイベントも盛ん。