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「働く」建設WALKER×日刊建設工業新聞社

2010年9月24日

株式会社三誠 代表取締役社長

三輪 富成

基礎杭専門メーカーの(株)三誠(東京都中央区.・三輪富成社長)。 自社開発の回転貫入鋼管杭『G−ECS(ジー・エクス)パイル』を主力商品に販路を拡張している。 新築住宅の着工件数が3年間で約40%も減少する中で、今年第一四半期のG−ECSパイルの出荷トン数は、過去最大を更新した。 三輪社長に、引き続き安定成長を続けるための経営方針や人材育成策などについて伺った。
取材・構成/日刊建設工業新聞

独自開発の回転貫入鋼管杭を商品化し、業容拡大

同社の創業は1995年。他社製コンクリート基礎杭の販売会社としてのスタートだったが、2003年に『ECSパイル』シリーズを開発し、基礎杭の提案から製造、施工までをトータルで行うメーカーへと業容を拡大した。

ECSとは“エコロジー”“コスト”“セーフティー”の頭文字で、排出残土がなく低騒音、低振動などの環境配慮性、杭形状や施工の簡素化によるコストダウン、厳しい国土大臣認定基準をクリアした高い安全性が特長。さらに強力な支持力(グレート)を備えた『G−ECSパイル』を商品化したことで、基礎杭メーカーとしての同社の認知度は飛躍的に高まった。

3年前は、売上高に占める自社製品と他社製品の割合は概ね7対3だったが、既製コンクリート杭の価格競争が激化し、採算性が低下したことで、他社製品販売事業を縮小。いまは売上高の9割以上が、『G−ECSパイル』となっている。

元請けとの手形取引で損失も

堅実に歩んできた同社だが、元請けからの手形が不渡りとなり、痛手を受けたことがあった。

「建設業法には、資本金4000万円未満の会社に一般の金融機関による割引を受けることが困難であると認められる手形を交付してはならない、という条文があるが、これが守られていない。資本金1000万円の当社に4カ月、5カ月の長期手形を交付するのは、まさに法令違反。財務体質の弱いゼネコンほど、長期手形を振ってくる」と三輪社長は、手形取引の問題点を指摘する。

同社はその後、元請けの与信管理と、前渡金の受け取りを徹底。

「こうした強気の取引は、技術力のある当社だからこそ可能だが、ほとんどの下請けが、手形が不渡りになるのではないかと不安を抱えて仕事をしているのが実情。ゼネコン業界は、健全な会社が残り、実際の市場規模に見合った数に淘汰(とうた)されるべきだ」と訴える。

パイオニア精神と人づくり

しかし、一時は苦汁を飲まされたものの、現在は市場占有率でも大手杭メーカーに引けを取らないまでに成長。その理由を、三輪社長は「パイオニア精神に基づく技術開発と高度なスキルを持った人づくり」と断言する。

この精神で開発されたのが『G−ECSパイル』だ。環境意識の高まり、建設現場の狭小化、コスト縮減といった事業環境や発注者のニーズの変化をいち早くとらえ、オリジナリティーに富んだ差別化された鋼管杭で、すでに施工実績は3000現場を突破。

営業担当者、技術者が連携して顧客の要求に迅速に対応し『G−ECSパイル』の特長を生かした質の高い基礎杭の設計、工法を提案することで、シェアを伸してきた。いったん『G−ECSパイル』の良さがわかると、継続して採用してくれる顧客もいるという。

一方、「人づくり」の柱となる取り組みが、社員、販売店、協力会社の社員を対象とした自前のセミナー。

営業研修、技術研修では、主な客先である設計事務所や建設会社設計部門の設計者と対等に渡り合える高いレベルの技術的知識を修得する。また建築士資格、施工管理技士(建築、土木、建設機械)の取得を目指した勉強会を東京と新潟で月2回程度開催している。

今期の勉強会の受講者は東京が54人、新潟が7人。高橋進常務が休日返上で講師を務め、原動力となる優秀な人材の育成を図っている。社員の3分の2は設計、施工関連の有資格者だ。

このような人材育成の成果が、製品品質、施工品質に表れ、同社の信頼向上に結びついている。三輪社長は「名実ともに業界トップの製造品質と施工品質を目指す」と熱く語る。

社員数も、この3年前と比べ、約3割増加した。30代、40代の中堅に加え、他社を定年退職した技術者も積極的に採用。

ベテランならではの豊富な経験、知識、人脈を若手に伝えるのが狙いだ。70歳になってもエネルギッシュに働いているシニア社員もいる。

様々な世代の知恵の結晶として、この秋には、経済性、効率的性を一層向上させた杭基礎の新商品を発表する予定だ。

【取材後記】
「誠心・誠意・誠実」──。
同社は創業以来、社名に込められた三つの誠をモットーに、時代のニーズに応えた基礎杭商品の提供、技術開発を通し、社会貢献に取り組んでいる。 企業活動を支える社員一人ひとりに、この精神が浸透しているからこそ、手形の不渡りや建築基準法の改正に伴う建築着工の停滞など苦難の時期を乗り越え、いま攻勢に転じているのだと思う。

[了]

株式会社三誠
本社所在地:東京都中央区日本橋箱崎町20番3号 箱崎公園ビル
拠点:北関東営業所(さいたま市)、茨城営業所、新潟営業所
設立:1995年2月24日
資本金:払込済資本 10,000,000円
事業内容:建設工事に於ける、基礎杭の製造・施工・販売/各種基礎杭の技術コンサルテーション/鋼管杭『G-ECSパイル工法』の普及
会社ホームページ:http://www.sansei-inc.co.jp/
(株)三誠では中途採用2011年度新卒/第2新卒採用(いずれも提案型営業・技術職・施工管理職)を行っています。詳細は同社HPの採用情報ページをご覧下さい。
http://www.sansei-inc.co.jp/company/recruit_top.htm

三輪富成(みわ・とみなり)
岐阜県出身。61歳。
1973年東京理科大学工学部建築学科卒、安藤建設(株)入社。
1987年(株)北雄産業入社。
1995年2月(株)三誠設立、代表取締役就任。
特技はウッドベース。
大学時代にアメリカンフォークに魅入られ仲間と「Mash☆Liquor」というバンドを結成。
休止期間を挟みながら、今も、ライブハウスで演奏活動を続けている。

※記事中のデータ、人物の所属・役職は掲載当時のものです。

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三誠の開発技術者陣の斬新な発想と高い技術力によって誕生した『G―ECSパイル』

<G−ECSパイル適用例>
建築竣工写真:印西市大型商業施設(2005年5月竣工)

<G−ECSパイル適用例>
建築竣工写真:中央区のオフィスビル(2008年2月竣工)

<G−ECSパイル適用例>
土木構造物竣工写真:文京区擁壁(2003年12月竣工)

『G−ECSパイル』施工現場(江戸川区・新川広場橋)

社内だけなく協力会社の社員を交えて行われる講習会の様子

ライブでウッドベースを演奏する三輪社長(右端)