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「働く」建設WALKER×日刊建設工業新聞社

2010年6月25日

産業リーシング株式会社

高田亜衣さん湯浅愛珠さん

新卒女性の積極的な採用を始めた産業リーシング株式会社。2009年4月に入社した高田亜依さんと湯浅愛珠さんは、タワークレーンのレンタル、工事施工を主力事業とする同社初の営業ウーマンだ。 半年の研修を経て、2009年10月から建設会社への受注営業や現場での工事計画の打ち合わせなどの業務に携わる。 今回は「男の職場」のイメージが強い建設業界に飛び込んだ二人の素顔に迫るとともに、斎木成治社長に女性登用の狙いなどについて話を伺った。
(写真左:高田さん・写真右:湯浅さん) 取材・構成/日刊建設工業新聞

タワークレーンは「かっこいい!」

2008年、就職活動をしていた二人は就職ポータルサイトで「産業リーシング」の存在を知った。大学で水生生物を研究していた高田さんと、英語を基本言語に国際コミュニケーションを学んでいた湯浅さんにとって、専門分野からすれば建設業界は畑違いだが、サイトに掲載されたタワークレーンの画像が目にとまった。

会社説明会に参加し、そこでタワークレーンを組み立てる映像を見て、「かっこいい」「おもしろそう」と感じるとともに、タワークレーンを専門とする業種・業態の珍しさや、今までに知らなかった世界での仕事に興味を抱いたという。

同社の新卒採用は従来、学校推薦や教員などからの紹介に頼っていたが、その年から理工系、文系を問わず幅広い学部学科を対象に人材を募集しようと、就職ポータルサイトを活用する採用方法を取り入れた。応募者は約30人。6倍の競争を勝ち抜き採用された5人の中の2人が、高田さんと湯浅さんだった。

先輩、顧客の心遣い、激励が不安を払しょく

二人は、昨年9月まで営業部、技術部、工務部、テクノセンターの全部門のローテーション研修を受け、10月に営業部に配属された。先輩社員に同行しながら営業のイロハを学び、高田さんは今年4月から、自ら顧客を担当。スーツ姿で新しい案件情報の収集、タワークレーン施工計画の提案などの業務のため日々、客先に足を運ぶ。

湯浅さんは、現場中心の仕事で、普段は作業服を着用し、プロジェクト担当者と機種の選定、配置計画、工程など細部にわたる打ち合わせや、施工管理などの業務に従事している。

入社当時は、男性社会に飛び込んだことに多少のとまどいがあったようだが、未経験者であっても丁寧に指導してくれる先輩社員の心遣いや、研修で訪ねた現場の職人からの激励が彼女たちの不安を払しょく。また、タワークレーンの営業担当者が女性であることが、かえって顧客に新鮮な印象を与え、名前をすぐに覚えてもらったり、しばらく現場に行かないと、人づてに気にかけてもらっていることを聞いたりするのも、励みになっているという。

タワークレーンの営業は女性にも勧められる仕事

湯浅さんから見た高田さんは、多少のミスは気にせず、どんどん突き進む性格。高田さんから見た湯浅さんは、話し方はしっかりしているけれど、実はナイーブ。タイプはそれぞれ異なるが、二人とも「タワークレーンの営業は女性にもお勧めできる仕事」と断言する。

一方、悩みを挙げてもらうと、口をそろえて「現場でのトイレ」という返事。大半の現場は、男女兼用のトイレしかない。最近、建設現場で働く女性が増えているわりには配慮が不十分なようで、内扉や化粧直しできるスペースのあるトイレを設置するなど、女性も働きやすい作業環境の整備が必要なようだ。

それでも高田さんは、「本当に多くの人との出会いがある仕事です。お客さまの会社や現場を訪問するのがとても楽しいし、現場が最初から最後まで無事故で終わったときは、安堵感とともに大きな達成感が得られます」と面(おもて)を輝かせながら「いまはわからないことだらけで、上司の助けを必要としていますが、一日も早く自立して仕事ができるよう努力していきます」と頼もしい。

湯浅さんは「まだ最初から最後まで一人で担当した現場がなく、知識を習得している最中ですが、社外の人との打ち合わせで内容を理解できただけでも、進歩が自覚できてうれしい」と自身を見つめたうえで、「営業とは、自分本位ではなく、周りの多くの人々の協力があってはじめて、成果が上がる仕事です。感謝の気持ちと人を思いやる気持ちを忘れず、自分を磨いていきたい」と、営業職にかける真摯な思いを語る。

産業レーシング(株)斎木成治社長談

当社はタワークレーンを組立から解体まで一気通貫で提供する会社です。顧客への提案、組立・施工・解体計画の作成、オペレーターの選定、社内の技術部、工務部、テクノセンター、安全部との連携など、すべてをコーディネートするのが営業の仕事で、こまめさと、調整能力が要求されます。

タワークレーンのオペレーターに女性を活用したところ、女性特有の細やかさから、職方とのコミュニケーションがはかどり、効率が高まりました。それを参考に営業にも、女性を活用しようと考えました。女性の細やかさは安全、品質の向上も役立つはずで、いずれは安全品質管理にも女性を登用していく方針です。

二人には、面接試験で、建設業界は依然として男性社会であると説明しました。それでも、当社で働きたいという一生懸命さと強い決意が感じられたので、採用を決めました。二人のこれからの可能性に大いに期待しています。

【取材後記】
同社には、今年4月、新たに新卒女性2人(男性は2人)が加わった。来年4月にも女性2人(男性は3人)の入社が内定している。近い将来、タワークレーン工事の監督にも女性を活用する考えもあるという。 昨年度の新卒募集では、前年の6倍以上の約200人が応募、うち40人強が女性。今回の応募者は約300人で、うち100人近くが女性だった。就職ポータルサイトで先輩社員として紹介されている高田さんと湯浅さんも、学生からの人気急増に一役買っているようだ。彼女たちの活躍によって、3Kと揶揄されてきた建設業のマイナスイメージが一新され、本来、人々の暮らしに貢献する重要な産業である建設業の価値が再認識されることを願いたい。

[了]

産業リーシング 株式会社
本社所在地:東京都千代田区神田駿河台3丁目4番地3
拠点:大阪支店、うめみのテクノセンター(埼玉県)、かなんテクノセンター(大阪府)
設立:1984年2月24日
資本金:5850万円
事業内容:タワークレーン・周辺機器のレンタル、販売及びタワークレーン等の仮設計画、設計、組立・解体工事、運行、管理、保守整備
企業ホームページ:http://www.sangyo-leasing.co.jp/

高田 亜依(たかだ・あい)千葉県出身、23歳
2009年3月北里大学水産学部(現・海洋生命科学部)卒
同年4月産業リーシング(株)入社
同年10月営業部配属、現在に至る
 
湯浅 愛珠(ゆあさ・えみ)東京都出身、23歳
2009年3月文教大学国際学部卒
同年4月産業リーシング(株)入社
同年10月営業部配属、現在に至る

※記事中のデータ、人物の所属・役職は掲載当時のものです。

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各種クレーンの整備・製缶等を行うテクノセンター。埼玉と大阪の2ヶ所にある。

ビル建設の最頂部で作業するタワークレーン。大手ゼネコンの現場が中心だ。

社内研修風景

同僚と。社内のコミュニケーションは抜群だ。

人に優しい温かい社風の中、日々勉強中!

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代表取締役社長 斎木成治氏