仕事柄一級建築士の方の応募書類をよく拝見します。履歴書には卒業した学校と在籍した会社。職務経歴書には「意匠設計をしました」「構造設計をしました」「現場監督をしました」などと書いてあります。極端な話ですが、同じ学校を出て同じ会社に就職し、同じ職場に働く人は同じ内容になるわけです。こうなると採用側はどの人を書類選考で選んでよいのかわかりません。
職務経歴書は他人との「差別化」の道具と考えてください。上記の様な例であっても、実際にしている仕事の内容を詳しく書くことで、自分の経験の特徴をアピールすることができます。例えば「一戸建ての設計を担当」とだけ書かれた書類をよく見かけます。あなたが採用担当でしたらそれだけでその人の力量を図ることができるでしょうか?それよりも「木造注文住宅の意匠設計をほぼ独力で行い、申請書類を作成し、建築確認検査を受けた。2005年度は60戸を竣工させた」とか、「SRC工法で、8階建て延べ床面積3200平米の事務所ビルの構造設計を独力で行った」(専門家ではないので記述が間違っていたらご容赦下さい)。というように、設計の種類、役割(単独かグループか、リーダーか担当か、監修か、CADの操作だけか...)、規模、工事期間、延べ人数、コストそのような具体的な数字を駆使して、自分が携わった仕事のレベル、携わり方などを表現する方法があるはずです。
ただし、アピールすると行っても相手の募集ニーズに合っていなければしかたありません。募集側が木造の注文住宅の設計担当者を募集していたとして、そこに応募するからにはその経験があることをアピールしなければ書類選考さえ通りません。仮にそれまでの経験が、注文住宅の設計経験が20%、その他の経験が80%であった場合、両方の経験をまんべんなく書くことは、かえって不利になります。その場合は相手のニーズに合うところを詳しく記述し、そうでないところはあっさりと書くなど、メリハリを付けることは必要です。