転職における成功と失敗について求職者にお話する機会が多いですが、何をもって成功というのか考えさせられるものがあります。失敗は比較的短時間に判明するかもしれませんが、成功というのは最後に仕事を離れるときにならないとわからないかもしれません。変化の激しい世の中ですから、当面5〜10年くらい、しっかりと仕事に打ち込めて、実力をつけることができ、収入もそれに見合うだけのものが得られれば、それはまずは成功と言えるのかもしれません。大切なのはその順風満帆の時期を作り、その次の航海(同じ船であれ、違う船であれ)や難破に合ったときの準備が出来ることではないかと思います。その時期を作ることができれば短期的な成功を得られたものと考えて良いのでしょう。
転職にあたって大切なことは「動機と目的」です。なぜ、何のために転職するのか、それらを整理することから始めるべきです。この動機が前向きで、目的がしっかりしていれば転職が成功する確率は高いですが、それ以外の理由ですと、あとで振り返ってみると、「あそこがターニングポイントで失敗したな」と思うようなことが起きます。表面上は立派な理屈をつけていても、本音は「他人のせい」での転職が多いのも現実で、これはやはり失敗するパターンといえるでしょう。
「自己責任」「覚悟」という意識も大切です。転職活動にあたって、いくら情報収集をしても、それでもその会社や職場や仕事について全貌を把握することは難しいのです(選ぶ側にとってもそうですからお互い様なのですが)。入社後に何があっても、それは「自分で選んだ事だから」という気持ちや、多少の見込み違いはあっても「そういうことはどんな会社でもあることだから、要は自分だ。選んだからにはここでやり抜くのだ」という覚悟ですね。そういう覚悟が出来ていない人は新しい職場にはいって「こんなはずじゃなかった」と思い悩みます。特に前の会社を「他人のせい」にして逃げてきたような人はこういうパターンを繰り返し、転職の数が増える傾向にあります。どこかで断ち切らねばなりません。回数が増えれば増えるほどますます負のスパイラルに陥ってしまいます。